六類型12種の体型
人の体や性格には個人差があります。
いつも頭ばかり使う傾向の人、食事への関心が人一倍強い人といった個々人の特徴は、体の形態や能力とも密接に関係していています。
これらの特徴により、体が前後にゆがみやすくなったり、左右にゆがみやすくなったり、あるいはねじれる傾向にあったりと体型も変わってきます。
身体均整法では、体型を12通りに分類することで、それぞれの人に合った効果的なアプローチを行います。例えば、胃の調子がなんとなくすぐれないといった訴えがある人の場合、精神的な悩みから来ている場合と暴飲暴食から来ている場合では、体に表れる変化に違いがあります。
頭の使いすぎから来ている場合であれば、それに関連する体のゆがみや異常がありますので、そこをを調整していかなければ効果的な改善は望めません。暴飲暴食から来ている場合であれば、体のゆがみや異常の状態も異なり、アプローチも全く異なってきます。
身体均整法では、体型を12通りに分類しますが、実際、これらの体型ごとに、背骨に生じるゆがみや変化にははっきりとした違いがあります。
それらの違いをしっかりと観察した上で、刺激の方法、調整時の態勢、また呼吸の状態なども考慮しながら調整していくことにより、全身のバランスを整えていきます。
さて、12種類の区分についてですが、先に述べたように、消化器の強い人・弱い人、呼吸器の強い人・弱い人、あるいは緊張するとトイレが近くなる人と遠くなる人など、 各人の身体的な特長は体の形態や能力とも密接に結びついています。
多様な人間の個性を、頭からお尻にいたる5つの領域の機能の発達と結び付けて、12区分して捉えたものが12種体型です。 頭部発達型-前後型(頭脳型)(1)、肩部発達型-肋骨型(呼吸器型)(2)、 中胸部発達型-左右型(消化器型)(3)、腰部発達型-回旋型(泌尿器型)(4)、骨盤部発達型-骨盤型(生殖器型)(5)、また全脊柱領域の機能が低下する老化型-骨格筋型(循環器型)(6)の6類型をベースに、それぞれに外向的に機能が表れる「陽性」と、内向的に機能が表れる「陰性」を区別して、六類型12種の体型が区別されます。
12種体型の特徴
頭部にエネルギーが集約しているタイプの人ー前後型(頭脳型)
なにごとも頭脳で物事をうけとめ、理屈で納得しなければ行動に移さない傾向があります。
頚が長く手足が細く長い傾向があり、その反対にお尻は小さく、行動力や生殖の能力は欠けている傾向があります。落ち着いた沈着な印象を与える人です。
陽性の場合、前傾姿勢で頭が上を向いているのが特徴です。
陰性の場合は、後傾姿勢で頭が下を向いているのが特徴です。
中胸部にエネルギーが集約しているタイプの人-左右型(消化器型)
消化器官に特長があります。 よく食べ、唄い、朗らかで人なつこい、包み隠すところのない傾向があります。
食べるということを中心に身体のリズムが構成され、そのためにはとてもエネルギッシュですが、満腹すると満足して持続力がありません。身体は丸みを帯びて充実しています。
陽性の場合、左の肩が下がっているのが特徴です。
陰性の場合、右の肩が下がっているのが特徴です。
肩にエネルギーが集約するタイプの人-肋骨型(呼吸器型)
呼吸器が発達し、スマートで巧みに身体をあやつります。
スポーツ選手は、多くの人がこのタイプに属します。合理的で気持ちの切り替えが早く、なにごとも素早く行動にうつすタイプの人です。
腰にエネルギーが集約するタイプの人-回旋型(泌尿器型)
同じ行動力でもより本能的な側面が強くあらわれます。
闘争的で負けず嫌い。泌尿器が発達し、行動や自律神経のバランスに影響を与えます。野生の動物では、テリトリーを誇示する目的で泌尿器が大きな役割をはたします。 近年、バソプレッソンやオキシトンなど泌尿器ホルモンが、サンガクハタネズミなどの縄張り行動に影響を与えていることが明らかにされてきましたが、 このタイプの人の特長は、テリトリーを守ろうとする勇猛果敢さになぞらえられます。
陽性の場合、体が右にねじれる傾向にあるのが特徴です。
陰性の場合、体が左にねじれる傾向にあるのが特徴です。
骨盤部にエネルギーが集約するタイプの人-骨盤型(生殖器型)
もっとも本能的な側面が強く、行動力・判断力において独特の「勘」の強く働く人です。
わが子丈夫で、身内に対するエネルギーが強く働く陽性タイプ、だれかれとなく面倒を見ずにはおれない世話好きの陰性タイプ、 いずれも理性よりも本能からくる愛情深い性格があらわれてきます。
老化とは、生命力の低下にともなって、このようなエネルギーの集約がとけ、行動や思考の特性が消えてゆく過程です。 老化型には、全身の神経が強く緊張する過敏型、あるいは思考や反応が弱まって無反応になる停滞型の二つがあります。
それぞれのタイプは、自律神経の特性や故障の傾向、運動系の発達や関節異常の表れ方に独特の個性を持っています。